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サッカーフォーラム in 兵庫
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第六回(最終回)「ようこそ世界のサッカー、市民みんなで盛り上げよう!」

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サッカーフォーラム in 兵庫
第六回(最終回)「ようこそ世界のサッカー、市民みんなで盛り上げよう!」
第2部
■フランス大会予選・ジョホールバルの真実

――岡野選手、城選手、そして岡田さん。98年フランスワールドカップの顔がそろいました。この顔ぶれをみると、アジア最終予選、ジョホールバルでのイラン戦を思い出しますね。
 当時、岡田さんはカズ(三浦知良)、ゴン(中山雅史)に代えて城と呂比須ワグナーを起用されましたが、あの決断の理由は何ですか。

岡田全ては結果論ですが、2点目をこちらのミスで取られてガックリきている様子だったので、これは何か強烈なインパクトのある手を打たなければいけないなと思いました。
 2人にどんな言葉をかけたかなど、そういうことは覚えていませんね。「頼むぞ」とか何か適当なことを言ったのでしょうね(笑)。
 
城彰二(以下、城):僕もはっきりは覚えていません。逆転されたあとだったので、「点を取りたい」の一心でした。 興奮で頭の中は真っ白、ただゴールだけを見ていました。あのゴールはオフサイドぎりぎりで、ラインズマンを見て確認したことだけは鮮明に覚えています。

岡田:(延長に入っての)岡野投入の時は、本当に色々考えました。ただ後半圧していただけに、その流れを断ち切ってしまうPK戦は避けたかったし、相手は疲れていた。それで、「犬より速い」と聞いていた岡野を一度走らせてみようと思ったんです(笑)。

岡野雅行(以下、岡野):その前に城と呂比須が入っていたのでFWの投入はもうないなと、実はスパイクを脱いで完全に応援に回ってました(笑)。

岡田:おい、本当か?それを知ってたら代えなかったよ(笑)!

岡野:予選で一度も出ていませんでしたし、延長のあの場面。「こんな所で代えられたくないな」と思っていました(笑)。すると突然「岡野!」と呼ばれて…。何か持ってこいと言われるのかなと思っていると、「出番だ!」と。それで慌ててスパイクを履いて出ていったので、ピッチで何をやっていたのか、自分では全然分からなかったんです。

岡田:それが良かったんだよ。考えたらダメなんだ(笑)。

岡野:常に夢の中にいるみたいで、自分の足じゃないような感じでした。全てがスローモーションで、頭の中は真っ白。
Vゴールは、嬉しいというよりホッとしました。

賀川:あの試合、あの時の城と岡野のゴールがなければ、98年のフランスワールドカップは日本にとってあれほど身近なものにならなかったでしょうね。
 取材記者がワールドカップに押しかけたのもあの時が初めて。それも全て、この2人のゴールが生んだと言えるでしょう。やはりゴールにはすごい力があるんですよ。



■キャンプ地に望まれるものは?

――初めてのワールドカップ、日本はエクスレバンという街でキャンプをしました。
キャンプ地というのはチームにとって色々な意味で非常に重要だと思うのですが、どうでしたか。

岡田:環境、グラウンド、試合会場へのアクセス、そうした条件を満たすパーフェクトな場所を見つけるのは大変。色々な所を回り、最後にたどり着いたのがエクスレバンでした。ここは試合会場へのアクセスだけが唯一良くなかったのですが、市長の特別な計らいにより、その問題は解決しました。
 エクスレバンは温泉もあり、落ち着いたいい所でしたよ。ただ、高級保養地なので年齢層が高くて、華やぎがなかった(笑)。若い女性の姿も見られなくて、変な意味ではありませんが、選手たちは息抜きできなかったんじゃないかな。

城:確かに落ち着いて合宿ができましたが、今振り返ると、マスコミの多さなどがすごくプレッシャーになっていました。
もう少し気持ちに余裕が持てれば良かったですね。

――今回津名町にイングランドがやってきますが、受け入れる側に望まれるのは何でしょうか。
 
賀川:津名は小さく落ち着いた町ですから過ごしやすいでしょう。町にいる人間の身元もはっきりしているのでセキュリティ的にも問題ない。あまり堅苦しく考えず、交流する時間を持つといい。
 イングランドという国、そしてエリクソン監督はおおらかだし、交流会も公開練習も可能でしょう。

岡田:最近、キャンプ地の担当者から歓迎の仕方を聞かれるようになったのですが、自然体でいいんですよ。レセプションも歓迎会も、特別なことは何もいらない。相手に出された要望に対して、すぐに対応する、それで十分です。
 その点、エクスレバンの対応は本当に素晴らしかった。初戦のアルゼンチン戦に負けて帰ると、道中の人々、そしてホテルの従業員が全員表に出て拍手で迎えてくれて、「お前たちはよくやったよ」そういわれた気がしました。そんな、さりげない事が嬉しいものなんです。

エクスレバンではこんなこともありました。
98年大会、当時の日本の力であれば勝てたであろう3試合目も落とし、僕はやめることになりました。1勝もできずにホテルに戻ると、ホテルのオーナー夫婦が僕の部屋に「You must continue.(あなたは続けるべきだ)」というメッセージとともにワインを1本置いておいてくれたんです。これ見よがしに前に出てこない温かさに何よりも感動しましたね。そのオーナーとは今でも付き合いが続いていますよ。

――自然体のサービス、自然体の気持ちですね。

岡田:ですから、日本も「こうしなきゃ」など無理しなくていいんですよ。ここは日本なんですから、外国の真似をする必要なんてないんです。



■2002年大会の見所

賀川:全般的に、最近サッカーそのもののレベルが上がりましたね。以前は1次リーグの各グループに1つは"お客さん"(弱いチーム)がいて、そこからいかに点を取るかといったものでしたが、今はアジアもアフリカもレベルが上がり、どの国も油断できない。だから、どの試合も面白い。

岡田:人々がどうしてこんなにワールドカップに興奮し、応援するのか。レベルの高いセリエAやプレミアリーグ以上に支持されるその理由は、出場チームがその国の歴史や習慣、国民性、気候など全てを反映しているからなんです。
 例えば暑い国はサッカーも本当にゆっくりしているし、ジャマイカのように陽気な国はリズミカル。旧ソ連は無口でマシンのように動いていましたね。ですから、ブラジルが強いからブラジルの真似をしようとしても絶対にできない。国民性は変えられません。
 ファイティングスピリット溢れるイングランドとジャマイカの陽気なサッカーの対決だから…、など対戦国の国民性を反映して試合を見ると面白いですよ。それがワールドカップの一番の楽しみかもしれませんね。

――さて、最後に恒例の優勝予想をお願いします。

賀川:私はアルゼンチン。今回はメンバーが揃っています。ただ、FWを中心に全体的に起伏があるのが気になりますが、まぁ、ヴェロンがうまくまとめてくれるでしょう。

岡田:ワールドカップの決勝戦は勝負に徹するので面白いゲームは少ないですよね。その意味で、イタリアが上がってきそうな気がします。反対のブロックはフランスかアルゼンチン、ブラジル。連覇は難しいので、決勝はイタリアとアルゼンチンかブラジルで、ヨーロッパ対南米の戦いでしょう。
で、優勝は…。友達が多いから、イタリアにしようかな(笑)。

岡野:難しいですが、やはりアフリカ。身体能力が高いし、何をするか分からないところが楽しみです。セネガルは組織的ですし、アフリカ勢に1回くらいは優勝してほしいです。

城:妥当なのはフランス、アルゼンチン、イタリアですが、やはり思い入れがあるスペインに頑張ってほしいです。


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