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兵庫サッカーの礎 世界のスーパープレーを見た 兵庫から世界へ 兵庫サッカーを語る
サッカーフォーラム in 兵庫
第一回「世界のストライカーと語る、世界のサッカー」
第二回「ピッチから見た世界のサッカー」
第三回「世界のサッカー、子供たちに夢を」
第四回「世界のサッカー、頂点に立つのは?」
第五回「世界への架け橋、サッカー!」
第六回(最終回)「ようこそ世界のサッカー、市民みんなで盛り上げよう!」

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サッカーフォーラム in 兵庫
第五回「世界への架け橋、サッカー!」
第五回「世界への架け橋、サッカー!」
日時:2002年2月24日(日) 14:00開演
会場:津名町立しづかホール
主催:津名町、兵庫県サッカー協会、神戸新聞社
共催:神戸青年会議所、デイリーポーツ社、サンテレビジョン、AM神戸
後援:英国大使館、英国総領事館、津名町2002年ワールドカップサッカーキャンプ誘致実行委員会、 津名町教育委員会、兵庫県、兵庫県教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会
協力:ヴィッセル神戸、FCJAPAN、(株)デサント

第五回はイングランドのキャンプ地に決定した淡路島津名町で、イングランドサッカーに精通されているサッカージャーナリストの伊藤庸夫氏、英国大使館広報担当のクレア・オルブレス氏、そして地元淡路サッカー協会会長の香山匡史氏をゲストにイングランドのサッカー、そしてサッカーを通じた国際交流について語っていただきました。


■イングランドのキャンプ地、津名町の環境
■対応さまざま各国のキャンプ事情
■津名町の芝
■サッカーの母国・イングランドのサッカー
■フーリガンは文化摩擦

 

■イングランドのキャンプ地、津名町の環境

――津名町のグラウンドなどの施設をご覧になられたそうですが、皆さんいかがでしたか。

賀川浩(以下、賀川):立派な芝が根付いていて、安心すると同時に驚きましたね。
 ここができた頃は一面が埋立地。砂がざーっとあるのを見て「ここへ呼ぶのかな(笑)」と思ったものですが、色々な設備も整っていますし、これなら皆喜んでくれるでしょう。

オルブレス:芝生もきれいですし、本当に素晴らしい施設ですね。
注意散漫になる大都市から離れ、質の高い練習施設があり、便利な宿泊施設を備えている場所。協会は、選手たちがトレーニングに専念できる場所を探していました。その全てを兼ね備えた津名町をキャンプ地として確保できたこと、また町の皆さんの温かい歓迎を嬉しく思います。

伊藤庸夫(以下、伊藤):ここは森に囲まれ緑が多く、そのうえ海に近くて景色がいい。芝もとてもきれいで選手はやりやすいでしょう。でも風がちょっと気になりますね。
 幕を張って練習を見えないようにするなど、キャンプに向け今後はさまざまな規制が出てきます。今回を機に周囲に木を植え、うっそうとした雰囲気を作ると、海外チームやJリーグチームの練習や大会の開催にも適した良い場所になるでしょう。



■対応さまざま各国キャンプ事情

――「さまざまな規制」ということですが、イングランドはオープンな国ですか、それとも秘密主義ですか。
 
伊藤:過去の大会を見る限り、オープンではありません。ですから、練習公開日以外は原則として(外部を)シャットアウト。多分今回もそうなるでしょうけれど、これはエリクソン監督次第です。
 過去の例からすると、イタリア、ドイツ、ブラジル、アルゼンチンなど大国といわれる国は全て、原則として非公開でしたね。それ以外の小さなサッカー協会の国は逆にオープンで、「いつでもどうぞ」という国もあります。

賀川:選手にとってワールドカップは戦争です。長期にわたってベストコンディションの維持が求められるわけですから、いかにして普段どおりであり続けるかが重要。最近では日本代表にも専任のコックが帯同するようになりましたが、サッカー大国と言われるイングランドやドイツにとっては何10年も前から当たり前のこと。例えばオリーブオイル1つにもこだわって、彼らは普段の生活をそのまま持ってくるんですよ。

 アルゼンチン代表チームは、空港に近く、池も散歩コースもある練習場を持っているし、狭い場所にぎゅうぎゅうに住んでいる日本人にとっては贅沢に思える事柄も、世界基準でみれば全然贅沢ではないんですよ。
 今回日本に同じものを期待されるのはキツイですが、それでもできるだけいい雰囲気で練習してもらいたいですね。

 ドイツやスコットランドなどヨーロッパの国々は、外部から遮断され、自然に囲まれた環境を好む傾向があります。開放的な国もありますが、練習場の質と、外部との遮断への要求はやはり厳しいですよ。現在の日本のキャンプ地には足りないものがたくさんある。そこを、日本人得意の創意工夫で補い、もてなさなければいけません。

伊藤:私が今携わっているアイルランドはとても開放的。イングランド生まれのアイリッシュ、マッカーシー監督は、選手が町を歩くのにも、一般の方の練習見学にも一切規制を設けていません。
 イングランドに関していうと、エリクソン監督は元イタリアクラブチームの監督。イタリアは開放的な国ですから、皆さんが練習を見る機会も増えるかもしれませんね。しかしそこは、監督がこのワールドカップをどう戦おうとするかによりますから、一般への公開が1週間に4日になるか1日になるかは分かりません。



■津名町の芝

――キャンプといえば、香山さんはイングランドのキャンプ地となる施設に芝を提供されているそうですね。

香山:芝のサッカー場を作ろうという話は昭和50年頃からありました。
 淡路スポーツマンクラブが、賀川さんや現兵庫県サッカー協会の高砂嘉之会長が所属していた神戸フットボールクラブと神戸市立中央球技場(現・神戸ウイングスタジアム)で試合をした時、津名町の柏木町長が(競技場の芝に)非常に感激されて「サッカーはこういう場所でやるものだ。子どもたちにもこういう環境を提供してやりたい」とおっしゃいました。
 それから25年後の平成8年。町の緑地化の過程で、芝生のサッカー場設立の話が本格化しました。

―お作りになったグラウンドで、イングランドがトレーニングし、試合に臨む。それだけでもう幸せなことでしょうけれど、香山さんの今後の夢は何ですか?

香山:夢は色々あるのですが、イングランドのキャンプ地にする、という1番目の夢は叶いました。
 私の理念に、「サッカーは少年を大人にし、大人を紳士にする」というイングランドのことわざがあります。あのピッチに立った子どもたちが立派な紳士に成長し、そして日本代表選手に育ってほしい。それが2つ目の夢ですね。
 今回のイングランドキャンプ受け入れにより、あのグラウンドが世界に通用すると証明されました。周囲に木を植えるなど、まだまだ改善の余地はありますが、今後はJリーグやLリーグ、そして海外のプロチームにキャンプ地として使ってもらえることを願っています。


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