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サッカーフォーラム in 兵庫
第一回「世界のストライカーと語る、世界のサッカー」
第二回「ピッチから見た世界のサッカー」
第三回「世界のサッカー、子供たちに夢を」
第四回「世界のサッカー、頂点に立つのは?」
第五回「世界への架け橋、サッカー!」
第六回(最終回)「ようこそ世界のサッカー、市民みんなで盛り上げよう!」

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サッカーフォーラム in 兵庫
第一回「世界のストライカーと語る、世界のサッカー」
■サッカー界の代表として

賀川: 僕は、釜本にストライカーを育てる仕事をしてほしかったけども、政治家としてサッカーに貢献するという道を彼は選びました。有名選手が政治家になるのは海外にも例が多いです。スポーツの実績が世界への顔になっている。ワールドカップの招致の時も、釜本の海外のサッカー界への顔が効いていましたよ。

釜本:まだまだスポーツをする環境が不充分で、改善していくためにはクラブというものが必要です。クラブとクラブ、それはすなわち街と街の戦いだから熱狂する。どうやって実現するかと考えると、政治の力が必要だと思いました。ワールドカップの招致のためにも、税金の配分を決めていくためにもサッカー界の人間がモノを言う必要があると考えました。スタジアムを維持していくためには、税金が必要です。その使い途を決めるためにはスポーツのわかる人が必要なのです。


■ストライカー、そしてトルシエ

――ではひきつづき、質疑応答とさせていただきます。

観客1: いまの日本にはセンターフォワードがいないと言われますが、ご意見をお聞かせください。

釜本:点を取るための練習は不足していると思います。点を取る形ができていない。どこからボールが出て、誰が決めるかという筋書きがあるか?今回のコンフェデレーションズカップではファイター型の鈴木が活躍したが、きついプレッシャーを受けて切れてしまった。私は高原、平瀬を買っているけども、点を取るシナリオが書けているかというと疑問。まだまだ経験が必要でしょう。ただし、考えてプレーしなければ、経験にはならない。考えてはじめて、出来た、出来なかったという事が経験になっていくんです。考える能力、感性、インテリジェンスは大切ですね。

観客2 :トルシエ監督の采配についてご意見を聞かせて下さい。

釜本: いろいろ書かれているけども、やめさせようと言ったことはないですよ(笑)。韓国に0-1で負けていて、ひとり人数が少なくなったのに、日本は何もしなかった。何かできなかったかな?と笑って言ったら解任問題と書きたてられた。なんであんな記事になるのか不思議ですよ。

賀川:トルシエは若くて情熱家で、若い選手をサッカーに打ち込ませていることについては認めたい。日本のサッカーのやる気をフランス人に出してもらうというのは、情けない気がするけども。あとは冷静さが必要です。クラマーさんにあんたは冷静だという話しをしたら、もっとひどい経験をしたからって言っていました。私もそうですが、戦争に行きましたからね。カッとなったら気に向かって怒鳴れ、と上官から言われたと話していましたね。

釜本: 選手は1年後のワールドカップに出たいから、監督の言うことを黙って聞いているだろうけども、監督はうかつなことを口にしてはいけない。これからは選手をまとめていく時期になりますからね。


第一回終わり

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■釜本 邦茂 日本サッカー協会副会長
1944年 京都、太秦に生まれる。
太秦小学校、蜂ヶ岡中学から山城高校に進学。 熊本国体で優勝を飾り、全国に名を知らしめる。早稲田大学に進学後は、関東大学リーグで4年連続の得点王、64年天皇杯優勝などを果 たし、同年に日本代表入り。東京五輪ではアルゼンチンを敗り、ベスト8に進出した。
卒業後はヤンマーに入社。2度目のオリンピックとなった68年のメキシコ大会では6試合で7得点を決め、得点王に輝くとともに、チームを銅メダルに導いた。ヤンマーでは71年の天皇杯優勝から5シーズンの間に日本リーグ優勝3回、天皇杯優勝2回。
13年間にわたり活躍した日本代表では241試合で158ゴール。
ユース時代から、世界選抜で記録したゴールは、548にのぼる。日本サッカーが生んだ、史上最高のストライカーである。

■賀川 浩 スポーツライター
1924年神戸生まれ。
神戸一中(現神戸高校)、神戸商大(現神戸大学)、大阪サッカークラブなどの黄金期に選手として活躍。全国大会優勝、東西対抗出場、天皇杯準優勝など。1952年から新聞社のスポーツ記者となり、ワールドカップ6回、欧州選手権4回、コパ・デ・オーロ、南米選手権などを取材し、現役ジャーナリストでは最年長。
現在はウェブサイトFCJAPAN(http://www.fcjapan.co.jp)にて「KAGAWA SOCCER LIBRARY」を主宰。過去の著作を公開すると同時に、それに付随するデータやメモと共にデジタルデータ化して、サッカー界の知的財産を集積している。専門誌ではサッカーマガジンにて「マイ・フットボール・クロニクル」を連載中。「釜本邦茂・ストライカーの技術と戦術」(講談社)「ワールドクラスの技術」「ストライカーの技術」(ベースボールマガジン社)「釜本邦茂・ストライカーの美学」などの著書もある。